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Product Story Vol.07 "NORTHPOLE CARBON"

よりいい景色を見るために。
muraco × GRAPHITE DESIGN

Product Story|2022.10.25 up

Product Story Vol.07では、NORTHPOLE CARBONをご紹介。国内屈指のカーボンゴルフシャフトメーカーであるグラファイトデザインとの共同開発プロダクトです。開発秘話をプロジェクトメンバーに聞きました。

Text : 後藤大輔
Photography : 村上卓也, 森玲音

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越家智明 / (株)グラファイトデザイン
営業部コンポジット事業兼海外シャフト事業

グラファイトデザインに入社後すぐに米国に出向し約8年、グローバルマーケットの営業に励む。帰国後、CFRP/コンポジット製品を通じ新規事業開拓に従事する。今年こそキャンプを始めたい。

松崎雄一郎 / (株)グラファイトデザイン
製造部生産技術課 造りRグループ

ゴルフシャフト開発、スポーツサイクル開発を経て、現在はCF成形技術の研究に励む。休日は秩父の山々で自ら設計したマウンテンバイクを楽しむ。

小林裕 / muraco事業部 設計室 エンジニア

オーディオ業界でのホーム用プロ用機器の構造設計とカメラ用三脚メーカーでの商品開発を経て、2020年にmuracoにジョイン。流行に左右されない商品開発を意識している。

カーボンのスペシャリストとの協業で生まれた超軽量極細タープポール

NORTHPOLE CARBON 210

今年6月に発売となった「NORTHPOLE CARBON™️ 210」に新たなサイズとして、10月に「NORTHPOLE CARBON™️ 150」が加わりました。直径わずか17.1mm、片手で持てるほど軽量でありながら、大型タープのメインポールとしても使用できる高強度のタープポールです。ポールの素材にはカーボンファイバーを採用。トッププロも使用するゴルフ用シャフトメーカーである「GRAPHITE DESIGN」との共同開発により生まれたプロダクトです。埼玉県秩父市のグラファイトデザイン本社を訪れ、開発の経緯と設計思想について振り返りました。

大和精工との出会いから新たな縁が

— muracoとの取り組みの経緯を教えてください

越家御社もお付き合いのある大和精工の小宮社長のご紹介でした。初めはmuracoの名前も伏せた形でアウトドア用のカーボン製品を作れないかと小宮社長からお願いされたのを覚えていますね。その後muracoをご紹介いただきダイレクトにプロジェクトを進めていくことになりました。打合せを通じて方向性の見直しや価値づくりといったテーマが顕在してきましたね。

グラファイトデザイン営業部の越家さん

小林小宮社長には本当に多くの縁を繋いでもらってますね。他のプロダクトを共同開発することを検討していましたけど保留にして、お互いの強みが発揮できそうなタープポールの開発にシフトしました。

松崎 実はmuracoと出会う4年前からキャンプ用のカーボン製品ができるんじゃないかと思い検証していたんですよ。実際にタープポールを作って、キャンパーたちと何回もフィールドテストやアイディア出しをしていました。3年ほど台湾の過酷なフィールドでサンプルのテストをやってたんですが、市場へのアプローチが分からなくて悩んでいましたね。販路もないですし。そんな時にmuracoとの共同開発のお話しをいただき、すごくタイミングが良かったです。

過去に制作したカーボンポールのサンプルについて語ってくれた松崎さん

景色を見て楽しんでいる時にタープポールが入りこんで欲しくない

開発でこだわった部分を教えてください

松崎まず作る前に、アウトドアの製品ってどうあるべきかを考えました。既にあるものをカーボンに置き換えてただ軽いだけとか、そういうものは作りたくなかったんです。実際にキャンプをしているときに、「タープポールが太くて景色の邪魔になっているな」と感じました。キャンプでお酒を飲んだり景色を見て楽しんでいる時にタープポールが入りこんで欲しくないなって。そこでカーボンの軽量、高剛性、高強度という特長を活かして、できるだけ”細くて自然に馴染むもの”を作りました。

視界を邪魔しない極細のポール

性能がゼロになってしてしまうことはフィールドで一番怖いこと

松崎 あとこだわったのは”壊れにくいこと”ですね。私は中学生の頃から35年ほどマウンテンバイクをやっていて今でも週末は山に行くんですが、自然の中では製品の性能がゼロになってしまうと何もできなくなってしまうんですよね。自転車の場合、パンクだったらまだしも、ホイールがダメになったら相当苦労して帰ることになりますし、性能がゼロになってしてしまうことはフィールドで一番怖いことです。なので”壊れにくいこと”が凄く重要だと。

特に苦労した部分はどのあたりですか?

松崎カーボンの粘り強さを出すことですね。カーボン製品は繊維の弾性率と積層角度、使用量によって剛性と強度が決まるんです。今回のポールの場合、柔らかすぎても、硬すぎてもダメで設計には苦労しましたね。相当な力を加えないと折れないですが、もし折れた場合にもガラスみたいに破断しないよう積層を工夫して、”壊れ方”を何回もテストしましたね。

グラファイトデザインテストセンターでの強度テストの様子

 

ポールの剛性と強度を計測する三点曲げ測定機。この測定器によって性能を分析する。

 

強度試験を何度も行い、計測データと破壊の様相を照らし合わせながら作り込んで行った。

越家ポールの”壊れ方”を見ながら適材適所に補強を行い、可能な限りに軽量で、高い安全性を担保しながら出来あがったのがこのポールです。見た目はすごくシンプルなんですが、中身は弊社のこだわりとテクノロジーが詰まった製品です。

部分的に補強できるのがカーボンの良さ

松崎カーボンと聞いて一般的に皆さんがイメージするような、クロス材と言われる綾織のカーボンシートが外層に使用されることが多いのですが、このカーボンポールはクロス材を内層に使用する事で曲げ応力や応力集中に耐えられるような積層構造にしました。また、カーボン繊維が一方向に敷き詰められたUD材と縦横に綾織されたクロス材を組み合わせる事によって軽量かつ高強度を実現しました。

層状にカーボンシートを巻くことでポールを作っている。内部にクロス材を使用する事で軽さと高強度を実現した。

松崎カーボンパイプの両端、つまり力がかかる部分にはフープ層といって90度の補強を入れています。これが無いと竹みたいに開いて割れてしまいます。部分的に補強ができると軽量化ができるし、見た目も綺麗に仕上がります。

パイプの両端部は外層に部分補強としてUD材を使用する事によって、金属ジョイントがパイプの円周を引き裂こうとする力に耐えられるようにしている。

小林見た目にはただのパイプ形状でも、部分的に補強できるのはカーボンの良さですよね。

越家そうですね。カーボンは金属とは違い異方性材料なので積層する繊維の方向を変える事で様々な物性を発現します。また部分的に補強できる事は軽量化としても有効です。

muracoによるジョイント部品の設計

金属製のジョイント部品はmuracoによる設計・製造ですがどのような工夫があるのでしょうか?

muraco設計室 小林

小林ジョイント部品にはアルミと比較して強度のあるステンレスを採用しました。軽量化のために負荷の集中する箇所の肉厚を厚くするという工夫をしています。また、パイプがしなった際にジョイント部品がパイプの内側を傷つけないよう、エッジにはRをとっています。

ジョイント部品は肉厚を変化させ軽量化し、カーボンポールの内側に食い込まないようエッジにはRをつけている。

松崎ジョイント部品もやはり壊れ方にこだわりましたよね。カーボンパイプのしなり(変形量)とジョイントの剛性バランスを見て最終的にはステンレスを採用しました。

小林ジョイント部品とカーボンパイプの嵌め合い精度にもこだわりました。ショックコードでスーッと軽く組み上がるようにできています。

その場所でのリアルな体験をすること

松崎さんが物づくりで心がけている事を教えてください。

松崎自分が作る物に関してはとりあえず体感する事を心がけています。今までも様々なことをやってきました。今回のカーボンポールも実際にキャンプフィールドに行って、キャンプ上級者や友人と「その場所でのリアルな体験」をしたことによって製品の目標設定ができ、アイディアが生まれたと思っています。

 

よりいい景色を見るために。
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Product Story Vol.07 "NORTHPOLE CARBON"

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